重陽の節句

重陽の節句~ちょうようのせっく~:9月

菊の節句とも言われます。古来、菊には邪気を払い不老長寿の効用があるとされています。
各地で開かれる菊花展や菊人形といった鑑賞だけでなく食材としても利用されるだけでなく、香りや効用を得る菊枕や菊湯、身を清める被せ綿(きせわた)といったものにも使われます。
また秋の収穫時期に当たるため、季節の食材を生かした栗ご飯などの秋の料理も楽しみです。
岩槻の料亭では菊や秋の食材を生かした食事が楽しめます。
この時季に「後の雛」といって、ひな祭りに飾った人形を飾る風習もあります。

岩槻での「重陽の節句」イベント

月遅れの10月下旬から「後の雛」や「吊るし雛」が飾られた、特設会場や飲食店を観に街中を歩いて回る催しを行っています。
春の時期の「上巳の節句」が女の子のお祭りとすれば、秋のこの時期の「重陽の節句」は大人の女性のお祭り。
雛人形の産地である岩槻では「上巳の節句」につぐ大きなイベントに成長しました。
菊の時期の為、街中では雛人形&つるし雛と菊とのコラボレーションや、各飲食店での菊を食材とした料理が楽しめます。
2020年には岩槻人形博物館や同敷地内のにぎわい交流館にて物販や各種イベントが開かれて大勢のお客様にお越しいただきました。

クレセントモールの顔出し「後の雛」。「菊の節句」らしく、手前にはインスタ映え?の菊も飾られています。

見た目も美しい和菓子の菊細工(練り切り)。職人技が光ります。

「後の雛」とは

旧暦九月九日、人形を作って床の間に飾り供え物をしてから桟俵にのせ、川に流す風習(ひな流し)がありました。 三月三日の流し雛と同類の行事であることから「後の雛」といわれ人形を飾る風習が各地にありました。

「菊合わせ」とは

州浜に菊を植えて優劣を争い、合わせて歌合わせをするという催しがありました。後に実物を競い合う「菊合わせ」の行事が盛んになり、江戸時代には京都・東山を中心に毎年十数回、大名の間でも菊の品評会が行われるようになりました。この催しが江戸から地方へと波及して、現在の菊花展に続いています。

大正館の雛人形「後の雛」。この時期にひな人形を飾るのは、人形を長持ちさせるために虫干しをするという理由もあります。

鈴木酒造さんの雛人形。造り酒屋さんならではの酒樽と雛人形のコラボ。この時期は岩槻の沢山のお店で色んな人形が並びます。